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化石燃料とは?依存するリスクと現状を把握して企業がすべきことは?

化石燃料とは?依存するリスクと現状を把握して企業がすべきことは?

私たちは快適な生活を送るために、多くの化石燃料を消費しています。日常生活において必要不可欠な存在ですが、地球温暖化を促進させる原因として問題視されています。そのため、化石燃料に依存している状態から脱却することが重要です。

本記事では、化石燃料に依存している世界の現状や問題点を解決するために企業がすべきことを紹介しています。世界が注目する「化石燃料問題」にどう取り組むのか考えてみましょう。      

化石燃料とは

化石燃料は環境に良くないものだとわかっていても、どんな種類があるのか、どういったものなのかわからない人もいると思います。まずは化石燃料とは何か、見ていきましょう。

化石燃料とは

化石燃料とは、地下に埋まっている石油・石炭・天然ガスといった燃料資源のことです。化石燃料は、古代に生息していた生物の死骸などが長い年月とともに変化してできたものです。現在では、私たちの日常生活に欠かせないエネルギー源として、さまざまな場面で使われています。

化石燃料は必要なエネルギー源である一方で、地球温暖化を促進させる原因の1つとして問題視されています。

化石燃料の種類

化石燃料は大きく分けると「石油・石炭・天然ガス・メタンハイドレート」の4つです。それぞれの特徴を簡単に紹介します。

  • 石油

石油は、炭素や水素などで構成された炭化水素であり、液状である点が特徴です。石油は、自動車のガソリンや軽油、プラスチックやゴムの原料など、さまざまな用途で使われています。

  • 石炭

石炭は、地中に埋もれた植物が地熱や圧力の影響を長期間受けて出来上がった岩石状の物質です。産業革命では、石炭を燃料にした開発が盛んに行われ、時代が大きく発展しました。現在は、主に火力発電の燃料や製鉄の原料として用いられています。

  • 天然ガス

天然ガスは、古代の動植物の死骸などが長い年月をかけて変化し、気体になったものです。主成分はメタンで、その他にもエタン、プロパン、ブタンなどが含まれています。主に火力発電の燃料や家庭用のガスとして使われています。

  • メタンハイドレート

メタンハイドレートは、メタンと水分子が合わさった氷状の物質です。メタンと同様に燃えやすい特質です。メタンと同じく燃えやすいため別名「燃える氷」とも言います。

石油や石炭などの化石燃料とは違い、燃焼時に二酸化炭素をあまり排出しないため、地球にやさしい資源として注目されています。

化石燃料に依存するリスク

化石燃料は世界中で使われており、依存しているのが現状です。このまま依存し続けるとどのようなリスクがあるのか見ていきましょう。

地球温暖化を促進させる原因の1つ

化石燃料を燃焼させると大量の二酸化炭素を排出します。二酸化炭素は地球温暖化を促進させる原因の1つです。そのため、このまま依存し続けると地球環境が悪化してしまいます。また、燃焼時には二酸化炭素だけでなく、硫黄酸化物や窒素酸化物も排出しています。

これらは酸性雨の原因物質です。酸性雨は、森林破壊や土壌汚染、生態系への被害が大きく、世界中で問題視されています。

2070年頃に枯渇する恐れがある

化石燃料は無限に存在するわけではなく有限です。長い年月をかけて生成されるものなので、新たに作り出すことも不可能です。このまま化石燃料に依存し、使い続けてしまうと50年後には枯渇する恐れがあると言われています。

採掘技術の発展により採掘できる埋蔵量は増えていますが、限りがあるため、化石燃料に代わるエネルギーの使用を促進し、代替できるようにならなければいけません。

原油価格が不安定

出典:1.安定供給|資源エネルギー庁

日本は化石燃料を採掘できないため、海外からの輸入に依存しています。そのため、国際情勢によって原油価格が変動し、安定して供給できないのが現状です。現在も、ロシアとウクライナの戦争によって、電気代や物価が高騰しています。

【番外編】依存してしまう原因

地球温暖化を促進させる原因の1つとわかっていても、世界は今もなお化石燃料に依存しています。その原因としては、化石燃料がさまざまな場面において浸透しているからです。

ガソリンや発電、プラスチックの原料など世界のあらゆる場所で活用されています。この状況において、すぐに代わりになるエネルギーを見つけ出すことは容易ではありません。

代用となるエネルギー以外にも、化石燃料に頼らない世界を作り上げるには膨大な資金と時間を要することになります。現段階では、地道に取り組みながら打開策を見出しているところです。

化石燃料に依存している世界の現状         

国際エネルギー機関(IEA)が発表した、年次報告書「2023年版世界エネルギー見通し(World Energy Outlook 2023)」によると、世界の総エネルギー需要の約80%が化石燃料です。しかし、再生可能エネルギーや原子力の成長により、化石燃料の優位性は数年後に失われ始めるとされています。

ちなみに日本が化石燃料に依存している割合は以下のグラフの通りです。

出典:経済産業省 2022年度エネルギー需給実績(速報)

2005年からほぼ横ばい状態で、化石燃料の依存から脱却できていません。

化石燃料の問題を解決するために企業ができること

化石燃料の問題を解決するために、多くの企業が取り組みを行っています。これから取り組もうと考えている方は、以下の4つを参考にしてください。

自然エネルギー(再生可能エネルギー)を導入する

太陽光、水力、風力といった自然エネルギー(再生可能エネルギー)を利用しましょう。ソーラーパネルの導入など自社で自然エネルギーを作り出す方法もあれば、自然エネルギーを使っている電力会社に切り替えることも一つの手です。

電力会社の切り替えについては後ほど紹介しますので、参考にしてください。

省エネ対策に取り組む

化石燃料はいずれなくなるものなので、少しでも長持ちさせるようにエネルギーの消費を抑える「省エネ対策」に取り組みましょう。省エネ対策は、会社で決めた方針を従業員に徹底させることで実行できます。

たとえば以下のような対策があります。

  • こまめに電気を消す
  • エアコンの設定温度を適正に維持する(夏は28度、冬は20度)
  • 交通機関を使って移動する(会議や研修時)
  • 蛍光灯からLED照明に交換する

地球温暖化対策をする

地球温暖化対策を始めるときは、自社の二酸化炭素の排出量や使用しているエネルギーの消費量などを把握することから始めましょう。二酸化炭素排出量を削減することが難しい場合は、植林や森林保護活動といった「カーボンオフセット」への取り組みも考えましょう。

環境に優しい電力会社に切り替える

自然エネルギーを使用した電力会社に切り替えることで、地球温暖化対策になります。太陽光パネルの導入などが難しい場合は、検討してみましょう。

まとめ

化石燃料は、燃焼時に二酸化炭素や硫黄酸化物、窒素酸化物などを排出するため、地球温暖化や酸性雨の原因になっています。世界的に問題視され、国だけでなく企業、個人が化石燃料の問題を解決するために行動に移さなくてはなりません。

この問題に対し、企業ができることは自然エネルギーを利用した電力会社に切り替えることです。シナネンの電気は、自然エネルギーを100%のほか、自然エネルギー比率を指定したプランなど多数の電力プランがあります。また、地球温暖化防止、環境保全、生態系の保護にも力を入れています。

地球を守る取り組みを行う第一歩として、電力会社の切り替えを検討してみてください。