電気の「契約アンペア数」の選び方次第で節約にもなることを解説 | 電気や環境問題のことならシナネンあかりの森メディア

個人向けコラム

電気の「契約アンペア数」の選び方次第で節約にもなることを解説

電気の「契約アンペア数」の選び方次第で節約にもなることを解説

電気代を節約するとき、まず使用量に焦点を当てる人は多いでしょう。使用量だけでなく、契約アンペア数を見直すことも節約のポイントです。しかし、アンペア(A)についてあまり詳しくないという人もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、契約アンペア数と電気代との関係性や家庭に合った契約アンペア数の選び方について解説しています。少しでも電気代を節約したい人は、ぜひ参考にしてください。

アンペアと電気代の関係              

現在契約しているアンペア数を把握している人は少ないのではないでしょうか。そもそも電気代とアンペアがどのような関係性であるかわからない人もいるかもしれません。まずは、アンペアと電気代の関係について解説します。

アンペアとは

アンペア(A)とは、電流の流れる大きさ(電流量)を表す単位です。電気の契約アンペア数は、一度に使える電化製品の量を表しています。たとえば、契約しているアンペア数が40Aの場合、冷蔵庫・洗濯機・エアコン・電子レンジなどを同時に使用して38Aまで電力を消費しているとします。

そこに追加でドライヤーやゲームなどを使用し、40Aを超えてしまうとブレーカーが落ちてしまうのです。そのため、普段からよく電気を使用する家庭では契約アンペア数が大きくなっています。

一般的にアンペア数によって基本料金が決まりますが、電気の使用量によって料金が安くなるわけではありません。いわゆる「固定費」にあたるため、毎月決められた金額を支払うことになるのです。

もし、電気を全く使わない月があったとしても固定費は変わりません。そのため、電力会社と契約するときには、家庭に合ったアンペア数を選択しなければ損をしてしまうので覚えておきましょう。

契約アンペア数が小さすぎるとどうなる?

家庭で使用している電気量に対し、契約しているアンペア数が小さすぎると、ブレーカーが落ちやすくなります。落ちるブレーカーは大きく分けると「アンペアブレーカー」「安全ブレーカー」の2種類です。

・アンペアブレーカー

アンペアブレーカーは、分電盤の一番左側にある大きなつまみのことです。電力会社と契約したアンペア数を超えた場合、ブレーカーが落ちて電気が遮断されます。ブレーカーが落ちたときは、使用している電化製品のコンセントをいくつか抜きましょう。

コンセントを抜いてからブレーカーを上げなければ、契約しているアンペア数を超えたままなので、電気が復旧しません。電化製品を使用するタイミングを工夫すれば、ブレーカーが落ちにくくなります。

・安全ブレーカー

安全ブレーカーは、電気の使い過ぎを防ぐためにあるブレーカーです。分電盤の中には電気を使う場所ごとにつまみがあります。たとえば、一部屋だけ大量に電気を使用していた場合、その部屋の安全ブレーカーだけが落ちます。

つまり、他の部屋では電気を使えますが、使用量の多い部屋のみが停電するという仕組みです。安全ブレーカーが落ちた場合は、どの部屋で電気が多く使われているか把握できるので、対策しやすいでしょう。

契約アンペア数が大きすぎるとどうなる?

家庭で使用している電気量に対し、契約しているアンペア数が大きすぎる場合、基本料金を必要以上に支払っていることになります。毎月使用しているアンペア数が22Aであれば、30Aで契約するのがベストでしょう。

しかし、ブレーカーが落ちるのを回避するために40A・50Aで契約していると、必要以上に基本料金を支払うことになります。必要以上に電気代を払わないためにも、家庭で使用しているアンペア数や、現在契約中のアンペア数を把握することが大切です。

契約中のアンペア数を調べる方法             

まずは自分が契約しているアンペア数を把握することから始めましょう。契約中のアンペア数を調べる方法は「検針票(請求書)」「アンペアブレーカー」の2つです。

検針票(電気の使用量)を見る

電力会社から毎月届く「検針票」やWebで確認できる「電気料金のお知らせ」などからアンペア数を確かめられます。

出典:東京電力エナジーパートナー株式会社

上記のように、検針票のどこに契約アンペア数が記載されているのか探してみましょう。ただし、どの電力会社にもアンペア契約があるわけではありません。たとえば大手電力会社でいえば、北海道電力・東北電力・北陸電力・東京電力・中部電力・九州電力はアンペア制ですが、関西電力や中国電力、四国電力、沖縄電力はアンペア制ではありません。

アンペアブレーカーを見る

アンペアブレーカーに、契約しているアンペア数が書かれています。また電力会社によっては、10Aは赤、20Aは桃、30Aは黄といったようにアンペア数を色で分けている場合もあります。ただし、電力会社によってアンペア数の色が異なるので注意しましょう。

色分けしていない電力会社もあるので、数字を確認するとよいでしょう。

家庭に合った契約アンペア数を選ぶには 

快適な生活を送るためには、家庭のライフスタイルに合ったアンペア数で契約することが重要です。前述の通り、契約アンペア数が小さいとブレーカーが落ちやすくなり、大きいと必要以上に料金を払うことになります。

では、どのように契約アンペア数を決めればよいのでしょうか。2つの方法を説明します。

世帯人数から選ぶ

1つ目は「世帯人数」から選ぶ方法です。一般的に家に住んでいる人数が多くなればなるほど、電気使用量も高くなります。家族の生活リズムによっても、電気使用量が異なるので、一度ライフスタイルを洗い出してから検討するのがおすすめです。

東京電力エナジーパートナーの調査によれば、一般家庭の平均アンペア数は34.88A(2015年度末時点)となっています。契約アンペア数の目安は以下の通りです。

  • ひとり暮らしまたは電気使用量が少ない二人暮らしは「30A」
  • 家族の人数が多いまたは電化製品の使用量が多い場合は「40A~60A」

使用している電化製品から選ぶ

2つ目は「使用している電化製品」から選ぶ方法です。使用している電化製品のアンペア数を計算し、合算から契約アンペア数を算出することも可能です。アンペア数は以下の計算式で求められます。

アンペア(A)=消費電力(W)/ボルト(V)

一般的に家庭用のボルトは100Vなので、電化製品の消費電力を100で割ればアンペアが求められます。計算は手間がかかるので、以下の一覧表を参考にするとよいでしょう。

電化製品の種類アンペア数
電子レンジ(30L)15A
アイロン14A
オーブン14A
IHジャー炊飯器(5.5合・炊飯時)13A
食器洗い乾燥機(100V卓上タイプ)        13A
ドラム式洗濯乾燥機 (洗濯・脱水容量9kg)洗濯時:2A 乾燥時:13A
ヘアードライヤー12A
掃除機弱:2A 強:10A
インバータエアコン冷房:5.8A 暖房:6.6A
テレビ  液晶42型:2.1A プラズマ42型:4.9A
冷蔵庫(450L)2.5A

参考元:東京電力エナジーパートナー「主な電気機器のアンペアの目安」

上記を参考にしてアンペアを計算してみましょう。たとえば冷蔵庫、テレビ(プラズマ型)、ドライヤーを使用すると以下のようになります。

冷蔵庫(2.5A)+テレビ(4.9A)+ドライヤー(12A)=19.4A

このように、時間帯別で使用している電化製品のアンペア数を計算し、契約アンペア数を決めてもよいでしょう。

契約アンペア数の変更方法          

契約アンペア数を変更したい場合は、契約している電力会社に変更を依頼するだけです。アンペア数に合ったブレーカーに交換する必要があるため、工事が必要になる場合があります。工事といっても簡易的なものなので、1時間もあれば交換できるでしょう。

契約アンペア数の変更は基本的に無料です。ただし、変更に伴い配管工事など別途必要な工事が増えれば、費用が発生するケースもあるので、電力会社に聞いておきましょう。またアンペアブレーカー機能付きのスマートメーターの場合、工事の必要がなく遠隔操作で変更することが可能です。

契約アンペア数を変更するときの注意点は「年に1度しか変更できない」ことです。季節ごとに契約を変えられないので、電気使用量の多い夏や冬を基準にアンペア数を決めましょう。

契約アンペア数を変えずに電気代を節約する方法              

最適な契約アンペア数にすることは、電気代の節約にも繋がります。契約アンペア数を変えなくとも以下の2つを参考にすれば、さらに電気代を節約できます。

賢い電化製品の使い方を知る

使用する電化製品が多かったとしても、工夫して使えば契約アンペア数を変える必要がありません。意識すべきことは「一度に多くの電化製品を使わない」ことです。とくにアンペア数の大きい電子レンジ・アイロン・オーブンなどを使用しているときは、他の電化製品の使用を控えましょう。

すぐに使用する必要のない場合は、電気を使わない時間帯(夜間など)に分散させることも一つの手です。タイマー付きの家電であれば、電気を使わない時間にタイマーをセットして、電気を使用する時間が偏らないようにしましょう。

電力会社の契約を見直す

電気を節約するときは、今のプランがライフスタイルと合っているか見直すことが大切です。ライフスタイルが変わったのに、契約プランを変えずに契約を続けている人は多いのではないでしょうか。

電気使用量が多い人向けプランや夜間に電気が安くなるプラン、基本料金がゼロ円で使った分だけ支払うシンプルなプランなど、さまざまなプランがあります。大手電力会社だけでなく、新電力会社にも注目するとよいでしょう。

まとめ

家庭に合った契約アンペア数にすることで、電気代を節約できます。契約アンペア数を決める場合、世帯人数や電化製品のアンペア数を計算する方法があります。ただし、どの電力会社もアンペア数の契約をしているわけではありません。

そのため、ライフスタイルに合った契約プランを選択することが電気代を節約するポイントです。

シナネンあかりの森でんきの料金プランは「市場価格連動型」です。市場価格に応じて電気使用量を調整すれば、もっと電気料金を抑えることが可能です。

一工夫することでさらに節約できるプランですので、ぜひ一度検討してみてください。