コーポレートPPAとは?導入メリットや契約形態について解説 | 電気や環境問題のことならシナネンあかりの森メディア

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コーポレートPPAとは?導入メリットや契約形態について解説

コーポレートPPAとは?導入メリットや契約形態について解説

世界中が脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいる中、近年ではコーポレートPPAが注目されています。コーポレートPPAは、環境問題の解決に向けての有効な手段となっていますが、導入する企業に多くのメリットがあります。

本記事では、コーポレートPPAのメリットや契約形態について詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

コーポレートPPAとは?

コーポレートPPAとは、自社専用の発電所を建設し、その発電所から再生可能エネルギー由来の電力や環境価値の調達をすることができます。自ら世の中に再生可能エネルギーの発電所を増やす取り組みであるため、『追加性』のある再生可能エネルギーの調達手段として世界的に評価されています。コーポレートPPAの特徴は、以下の通りです。

  • 再生可能エネルギー由来の電力や環境価値を安定的に調達することができる
  • 自社専用の発電所を長期的に確保することができる
  • 発電所を確保するための、イニシャルコストやランニングコストは掛からず、電力の購入契約を継続的に行う仕組みとなっている。
  • 国内外ともに再エネ調達の有効な手段として注目されている。

コーポレートPPAの契約形態

コーポレートPPAの契約形態

※自然エネルギー財団「コーポレートPPA日本の最新動向2024年版」を参考に著者が作成

コーポレートPPAを大きく分けると、オンサイトPPAとオフサイトPPAの2種類があります。オフサイトPPAの中には、フィジカルPPAとバーチャルPPAがあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて見ていきましょう。

オンサイトPPA

オンサイトPPAとは、自社の建物の屋根や、敷地内の空きスペースを有効活用し、太陽光発電所を建設します。発電設備は発電事業者(PPA事業者)が所有し、需要家に対して、そこで発電した電力と環境価値を継続的に固定価格で提供します。

再生可能エネルギー由来の電力調達をするうえで有効な調達手段です。

オンサイトPPAのメリット

・自社所有の建物や敷地を有効活用することができる。
・初期投資が不要で設置することができる
・屋根に設置すると遮熱効果がある
・直接自家消費することができ、託送料金が掛からない
・災害時の非常用電源として活用することもできる

オンサイトPPAのデメリット

・設置後は移設に手間が掛かるため、建物の建て替えが予定されている場合には導入が難しい
・老朽化した建物や強度不足の建物には設置することができない
・一括で購入するよりは導入コストが割高になる。

フィジカルPPA

フィジカルPPAの契約形態

出典:自然エネルギー財団「コーポレートPPA日本の最新動向2024年版」

フィジカルPPAとは、敷地外に太陽光発電所を建設し、発電した電力や環境価値を発電事業者から調達する手段です。オンサイトPPAと同様に『追加性』のある環境価値を得ることができます。、

フィジカルPPAのメリット

・設置できる敷地がない需要者も、導入することができる
・初期投資が不要で設置することができる
・必要な量に応じて発電所容量を増やすことができる
・将来移転や施設の建て替えがあっても心配がない

フィジカルPPAのデメリット

・遠隔地にあるため、非常用の電源として活用することができない
・供給開始までに系統連系の時間がかかる

バーチャルPPA

バーチャルPPAの契約形態

出典:自然エネルギー財団「コーポレートPPA日本の最新動向2024年版」

バーチャルPPAとは、敷地外に太陽光発電所を建設し、環境価値のみを発電事業者から調達する手段です。電力については、日本卸電力取引所(JEPX)に市場価格で売却し、予め小売電気事業者と取り決めした固定価格との差額を清算します。

バーチャルPPAのメリット

・環境価値を安定的に調達することができる
・電力の調達は別途検討することができる

バーチャルPPAのデメリット

・デリバティブ取引とみなされるケースがある電気代は削減できない
・電力の調達は安定化できない

コーポレートPPAを活用するメリット

コーポレートPPAを導入する企業は増えています。その背景として、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

CO₂の排出量を削減できる

コーポレートPPAは、再生可能エネルギー由来の電力を調達するうえで、理想的な調達手段です。証書やクレジットによる排出量削減に頼らず、自ら環境に優しい取り組みを行うことができます。

対外的なPRができる

コーポレートPPAを導入することで、環境に配慮した取り組みを実施している企業として、対外的なPRが可能です。また、コーポレートPPAを導入することでESG投資家からの注目を集め、企業価値を高められます。企業や投資家にPRできれば、企業価値の向上にもつながるでしょう。

まとめ

コーポレートPPAには、オンサイトPPAやオフサイトPPAなど、契約形態がいくつかあります。自社の導入目的に合った手段を検討しましょう。コーポレートPPAを活用すれば、地球温暖化などの環境問題の解決に貢献することができます。

シナネンでは、コーポレートPPAで賄いきれない分の電力についても環境に優しい電力メニューで供給をすることが可能です。併せて導入をいただければ、環境に優しい電力で環境負荷を軽減することができます。