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法人向けコラム

海洋汚染の現状・原因・問題を知って私たちにできることをやろう

海洋汚染の現状・原因・問題を知って私たちにできることをやろう

私たちの重要な資源の一つが海です。当たり前のようにある海の美しさも、海洋汚染によってなくなってしまう可能性があります。世界的に見ても海洋汚染は深刻な問題として取り上げられていますが、海洋汚染を防ぐためにわたしたちができることがあります。

本記事では海洋汚染の現状・原因・問題について詳しく解説しているので、参考にしてもらい、わたしたちができることを考えましょう。      

海洋汚染の現状と未来

海洋汚染とは人間活動によって起きる海の汚染のことです。海洋汚染は、海洋ごみなどが原因ですが、その中でも海洋プラスチックごみが問題視されています。海洋汚染は、生態系に悪影響を与えるだけでなく、私たちの暮らしにも影響を与えます。

海洋汚染により海洋生物の生息地が奪われたり、化学物質やごみを誤って食べてしまい死んでしまったりする生物も少なくありません。この状態が続くと海洋生物の減少はもちろん、生物多様性も失われてしまいます。

引用元:生きている地球レポート(WWF)

WWF(世界自然保護基金)の発表では、生物多様性の豊かさを表す「生きている地球指数(LPI)」によると、1970~2016年の間に地球全体で、脊椎動物の個体群は平均68% 減少したと言われています。

海洋生物が減少することで、これまで獲っていた魚介類の数が減ってしまうなど、私たちの暮らしに直接的または間接的に影響が出てしまうのです。食事として魚介類が出る回数が減るだけでなく、漁業者も減ることになるなど、海洋汚染によって引き起こされる負のスパイラルは、容易に止めることはできません。

この負のスパイラルを止めなければ、2050年には海洋生物よりも海洋ごみの方が多くなると言われています。また現在の状況と変わらない場合、海洋プラスチックごみは2040年に2900万トンまで増加し、2016年に比べて約3倍増えると予想されています。

海洋汚染が広がる5つの原因

海洋汚染が広がる原因は「海洋ごみ」「生活排水」「工場排水」「船舶からの油の流出」「ごみの不法投棄」の5つです。

海洋ごみ

海洋汚染の主な原因が海洋ごみです。海洋ごみは世界中で問題視されていますが、その中でも海洋プラスチックごみは特に深刻化しています。プラスチックは軽く、地上で捨てられたごみが、風や水によって海に流されてしまいます。

環境省が発表した「海洋ごみ調査」によると、海洋プラスチックごみの約8割は陸域からの流入です。

陸地から流失した海洋プラスチックごみを誤飲するカメや、胃の中から80袋以上のビニール袋が見つかったクジラの事例などが報告されています。

約700種類の海洋生物がいますが、このうち、ウミガメの52%、海鳥の90%以上、鯨やイルカの56%が海洋プラスチックごみを摂取したという調査結果が出ています。

海洋プラスチックごみと同様に問題視されているのが、マイクロプラスチックです。マイクロプラスチックは、海洋プラスチックごみが紫外線などにより直径5mm以下に分解されたものです。

マイクロプラスチックは目に見えないサイズであり、海洋生物の体内へ蓄積されていきます。マイクロプラスチックを食べた海洋生物を私たち人間が摂取することにより人的被害が及ぶのではないかと懸念されています。

生態系だけでなく人的環境にも被害を及ぼす可能性があるマイクロプラスチックは、見過ごせない問題です。

生活排水

お風呂、台所、トイレなど私たちが生活している中で排水したものを生活排水と言い、この生活排水も海洋汚染の1つです。私たちは河川の水を浄化し水道水として利用していますが、工場排水のように強い規制がないためひとりひとりの行動が大切です。

私たちが何気なく出している生活排水ですが、生物が住める水質にするまでどれほどの水が必要か知っていますか?

流すもの魚が住める水質にするまでに必要な水の量
天ぷら油20mlバスタブ(300L) 20杯分
マヨネーズ15ml(大さじ1)バスタブ(300L) 13杯分
牛乳200ml(コップ1杯)バスタブ(300L) 11杯分
味噌汁180ml(茶碗1杯)バスタブ(300L) 4.7杯分
米のとぎ汁500ml(1回分)バスタブ(300L) 4杯分
シャンプー4.5ml(1回分)バスタブ(300L) 0.67杯分
引用元:生活排水読本(環境省)

生活排水の中にはリンや窒素が含まれており、河川などに流れ込むと富栄養化という現象が発生します。富栄養化とは、河川などの水に含まれる栄養が急激に増えてしまい大量の植物プランクトンが発生することです。

大量の植物プランクトンが発生すると魚に必要な酸素がなくなってしまい、大量に魚が死んでしまうこともあります。

工場排水

生活排水よりも危険性が高いのが工場排水です。工場排水が生態系・人的環境に被害を及ぼした事例と言えば、水俣病やイタイイタイ病が有名です。水俣病を例に見ていきましょう。

高度経済成長期に建てられた化学工場では、生産の際に有害物質である「メチル水銀」が発生していました。このメチル水銀が工場排水として河川や海に流失したことにより、プランクトンや魚の体内に蓄積(生物濃縮)され、汚染された魚が増えていきました。

プランクトンから小魚、小魚から大魚、そして私たち人間へと汚染が広がり、生態系だけでなく人的環境にも被害を及ぼしたのが水俣病です。

水俣病やイタイイタイ病などが蔓延したことにより、公害対策基本法や水質汚濁防止法が制定され、有害な排水をしないように現在でも厳しく規制されています。

船舶からの油の流出

船舶の事故などによって油が流出することも海洋汚染の原因の1つです。大量の油が海に流出してしまうと、海洋生物を死滅させるだけでなく海洋環境にも悪影響があり危険です。

油が流失し魚に付着してしまうと、機能不全を引き起こし稚魚や卵の死亡率が上昇します。もちろん魚だけでなく水鳥や海獣も同じです。

水鳥であれば、体表に油が付着することで機能が衰え飛行や遊泳が困難になったり、体温が低下してしまったりするという被害が出ます。羽根や体毛についた油を取り除くには、口で除去していくしか方法がなく体内への吸収が避けられません。

体内へ吸収された油により、「行動障害や知覚麻痺が起こる」「動きが鈍化し身を守れない」など死亡率が高くなってしまいます。

魚や水鳥は素早く動けるため回避することが可能です。しかし、プランクトンは油の被害から逃れられません。プランクトンが油により減少すると、魚の餌がなくなり連鎖的に大量死の恐れがあります。

その他、間接的に海洋汚染につながるケースが多く、見過ごせない問題です。

ごみの不法投棄

海洋ごみは私たちの暮らしから出たものだけでなく、不法投棄によるものもあります。海上保安庁の発表によると、令和4年度の海洋への不法投棄(日本国内のみ)は、一般市民によるものが88件(前年86件)、漁業関係者によるものが44件(前年50件)となっています。

一般市民による不法投棄が多いのは、釣り人が釣り糸や針、浮き、餌の袋などを捨てていくことが多いからです。悪質な不法投棄は景観を損ねるだけでなく、海洋汚染の原因にもなるため許しがたい行為です。

海洋汚染がもたらす3つの問題

海洋汚染は生態系だけでなく私たち人間にも大きな影響を与えます。海洋汚染がもたらす「生態系」「健康被害」「環境汚染」の3つの問題について見ていきましょう。

海洋汚染による生態系の破壊

海洋汚染により生態系への被害はいくつかあります。生活排水でも例に出しましたが、富栄養化によって赤潮・青潮が発生する現象、船舶から流失した油による影響などがあります。

海洋汚染として深刻な問題となっている「マイクロプラスチック」も例外ではありません。マイクロプラスチックは海洋生物だけでなくサンゴ礁にも影響を与えます。

サンゴは褐虫藻を体の中で共生させることが生き延びるために必須条件です。しかし、マイクロプラスチックを取り込んでしまったサンゴは、褐虫藻が共生しにくくなるという研究結果が出ています。

サンゴ礁は、さまざまな生き物の住処であり産卵場所であり、海洋生態系を支える上で重要な存在です。マイクロプラスチックはそのサンゴ礁の成長に悪影響を及ぼし、最悪の場合、サンゴ礁が死亡することもあると懸念されています。

海洋汚染による健康被害

前述のマイクロプラスチックですが、海洋生物だけでなく人間にも被害を及ぼすとされています。

例えば、ピュー慈善信託は「海洋マイクロプラスチックの約78%が合成タイヤゴム由来である」と発表しています。このタイヤの摩耗に伴って放出されたマイクロプラスチックは、発達障害、心臓病、生殖障害、がんなどの健康被害を起こす可能性があるため危険です。

また、マイクロプラスチックが人体の中に取り込まれていることも明らかになっています。マイクロプラスチックが人体の中から発見された調査は以下の通りです。

オーストリアの連邦環境局とウィーン医科大学の共同のパイロット調査
日本人を含む8カ国の成人の便10g当たりから平均20個のマイクロプラスチックが発見される。

オランダのアムステルダム自由大学の研究
健康なボランティア22人中17人(77%)の血液からマイクロプラスチックが発見される。

米学術誌Environmental Science and Technologyに掲載された研究
ヒトの心臓から9種類のマイクロプラスチックが発見される。

海洋汚染による環境汚染

海岸に大量のごみが漂流しているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。海に流れ出たゴミは海岸へ漂流することが多いです。海岸にある大量のごみは悪臭を放つ上、景観を損ねます。

また海洋プラスチックごみは、紫外線や海水によって分解される過程でメタンなどの温室効果ガスを発生させる恐れがあります。温室効果ガスは、地球温暖化の原因であるため、環境汚染にもつながっているといえます。

海洋汚染を解決するための取り組み    

海洋汚染を解決するための取り組みは日本だけでなく世界各国で行われています。それぞれの取り組みについて見ていきましょう。

日本の企業が行っている取り組み

まずは日本の企業が行っている事例を紹介します。

<ECOALF(エコアルフ)>

ファッションブランド「ECOALF」は、すべてのアイテムを環境負荷の低い天然素材や再生素材のみで作っているのが特徴です。また自ら海のごみを収集し独自の技術を活かして、タイヤやペットボトルなどから新しい素材を開発しています。

<帝人フロンティア>

衣類などの繊維くずはマイクロプラスチックの発生要因の一つです。帝人フロンティアが行った取り組みは、洗濯時に発生する繊維くずを抑制することです。   帝人フロンティアが開発した「非起毛のポリエステル裏毛素材」は従来の素材に比べ、1/4~1/2まで繊維くずの量を減少させることに成功しました。

<サントリー>

サントリーは、独自の「2R+B(Reduce・Recycle + Bio)」戦略に基づき、2030年までに自社が使用するすべてのペットボトルを、リサイクル素材や植物由来素材等100%に切り替え、化石由来原料の使用をゼロにするという目標を掲げています。

日本の政府が行っている取り組み

日本の政府はG20大阪サミットに合わせて、「新たな汚染を生み出さない世界」の実現を目指し、「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」を策定しました。

ポイ捨てや漂着ごみの回収、廃棄物処理制度による回収、イノベーションによる代替素材への転換、発展途上国への支援を中心とした、徹底したプランです。具体的には以下のような活動を行っています。

・不法投棄防止の監視パトロール
・散乱ごみの回収活動
・条例(ポイ捨て禁止条例)違反の監視・取締りの徹底
・「海ごみゼロウィーク」による全国一斉清掃アクション
・漁業者による海洋ごみ等の回収・処理の支援
・マイクロプラスチックを含む海洋プラスチックごみの人や生態系等への影響の調査
・ペットボトル100%有効利用を目指し、自販機横に専用リサイクルボックスを設置する取組を支援

引用元:海洋プラスチックごみ対策アクションプランの概要(内閣官房)

海外が行っている取り組み

世界各国でプラスチック製のレジ袋の廃止や、プラスチック容器の使用を制限する国が増えています。

例えばアメリカでは、「Save Our Seas 2.0法」や「国家リサイクル戦略」によってリサイクルするごみの汚染の削減や海洋ごみ対策・インフラの強化を行っています。また州ごとにレジ袋や特定プラ製容器の使用禁止・有料化など、環境負荷の軽減に対して積極的です。

その他EU(欧州連合)は、「使い捨てプラスチック禁止指令」や「特定プラ製品環境負荷削減指令」などが可決され、発生削減に取り組んでいます。各国が積極的に取り組んでいるのは、プラスチックの代替商品の開発やプラスチックの利用削減などです。

環境保護団体が行っている取り組み

環境保護団体は数多くありますが、その中でも海洋保全活動に力を入れている団体の取り組みについて紹介します。今回紹介する環境保護団体は、「OWS」と「オーシャンファミリー」です。

どちらの団体も積極的に力を入れているのが「次世代を担う子どもたちの教育事業」です。とくにオーシャンファミリーは小・中学生を中心に海洋保全活動よりも「海を体験的に学ぶこと」を重視しています。

例えば、海岸生物観察(生物多様性モニタリング調査)やビーチクリーン、森林整備、里山クリーンといった活動を行っています。

OWSが行っていることは「自然に親しむ、自然を学ぶ、自然の大切さを伝える」活動です。またサンゴ礁の調査、干潟の保全、海洋ごみの回収なども行っています。

どちらの団体もまずは自然(海洋)について知ってもらい、興味を持ってもらい、体験してもらい、楽しんでもらうことを大切にしているのが特徴的です。

海洋汚染を防ぐために私たちができること

海洋汚染を防ぐために私たちひとりひとりの行動が大切です。企業・個人で何ができるのか見ていきましょう。

海洋汚染を防ぐために企業ができること

個人で行う取り組みとは違い、企業が行う取り組みは規模が大きいです。そのため、海洋汚染を防ぐ取り組みをアピールできれば企業イメージを向上させることもできます。海洋汚染を防ぐために企業ができることは3つあります。

1つ目は、「脱プラスチック」です。プラスチックの利用を減らす取り組みや、プラスチックの代替となる商品にシフトすることです。代替え商品であれば、紙・ガラス・木・バイオマスプラスチックなどがあります。

サントリーが従来の素材から植物由来素材100%に切り替えたのが、まさにこの事例です。主にこの方法が一番取り組みやすいためおすすめです。

2つ目は、海洋ごみの回収装置や水質浄化システムを開発して海洋保全活動に貢献することです。こちらは少し規模が大きくなります。こちらの事例でいえば、スズキが世界初となる船外機に取り付け可能なマイクロプラスチック回収装置を開発しました。

3つ目は、水産エコラベル表示の導入です。「MSC」や「ASC」といった水産エコラベル制度を取得する取り組みです。認定された条件に従って漁獲・生産した水産物を販売することで、環境保全活動に貢献できます。

海洋汚染を防ぐために個人ができること

海洋汚染を防ぐために個人ができることは小さなことの積み重ねです。一つの行為としては大きくありませんが、全人類が意識して行うことで大きな成果を得られます。海洋汚染を防ぐために個人ができることは以下のような取り組みです。

・汚れた食器は拭いてから洗う
・洗剤を使いすぎない
・お風呂の水は洗濯に使う
・シャンプーやリンスなどは適量のみ使用する
・エコバック、エコボトルを持参し、プラスチック容器を買わない
・ポイ捨てしない
・ボランティア活動にも積極的に参加する

まとめ

海洋汚染について紹介してきましたが、地球が抱える問題は海洋汚染だけではありません。地球温暖化も深刻な問題として世界中で対策が講じられています。地球温暖化対策として「エコな電気」に切り替えることも私たちができることの1つです。

二酸化炭素の削減に取り組んでいる電力会社に切り替えることで、環境問題にも貢献できます。

例えば、「シナネンあかりの森プロジェクト」では、環境にやさしい自然エネルギー100%を利用することで、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を削減しながら積極的に自然を守る活動を行っています。

SDGsの目標7・13・14・15の目標達成を目指して、海や陸の自然保護、生態系の保護に関する活動に積極的に取り組んでいる会社です

シナネンでんきの環境配慮メニューについて詳しく知りたい方は、「環境配慮型 シナネンでんき (sinanen.com)」を参考にしてください。