個人向けコラム

電気自動車の電気代は月いくら?ガソリン代と比較して安いのか

電気自動車の電気代は月いくら?ガソリン代と比較して安いのか

電気自動車の購入を検討している人や電気自動車を所有している人の中には、「電気自動車の電気代っていくら?」「ガソリン代よりも安いの?」と疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。

本記事では、電気自動車の電気代や、ガソリン代との比較を紹介します。また電気自動車の電気代を安くする方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

電気自動車の電気代は月約4,000~6,000円+外充電費

電気自動車の電気代は、月約4,000~6,000円+外充電費が目安です。電気自動車の電気代は、「自宅充電」と「外充電」の合算で求められます。それぞれの電気代を見ていきましょう。

  • 自宅充電する場合の電気代:月約4,000~6,000円
  • 外充電する場合の電気代::1回あたり無料~約4,000円
  • 自宅充電と外充電のメリット・デメリット

なお本記事で紹介する電気代は、電力量料金のみの金額です。基本料金・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まれておりません。

自宅充電する場合の電気代:月約4,000~6,000円

自宅充電する場合の電気代は、月約4,000~6,000円が目安です。充電1回あたりの電気代を計算するには、「バッテリー容量(kWh)×電気料金単価」で求められます(※0%から満充電する場合)。

電気自動車の代表車種を例に、自宅充電する場合の電気代を見ていきましょう。なお、電気料金単価は、「全国家庭電気製品 公正取引協議会」が発表している「1kWhあたり31円(税込)」を参照しています。

車種バッテリー容量充電1回あたりの 電気代の目安1カ月あたりの 電気代の目安
日産 サクラ20kWh620円2,480円
三菱 eKクロス EV20kWh620円2,480円
マツダ MX-30EV35.5kWh1,101円4,402円
フィアット 500e42kWh1,302円5,208円
プジョー e-20850kWh1,550円6,200円
レクサス UX300e54.4kWh1,686円6,746円
日産 リーフe+60kWh1,860円7,440円
日産 アリア66kWh2,046円8,184円
スバル ソルテラ71.4kWh2,213円8,853円
メルセデス・ベンツ EQS107.8kWh3,342円13,367円

※週に1回、月4回充電すると仮定しています。

車種によってバッテリー容量が異なるため、1カ月あたりの電気代の目安も異なります。上記の表を参考にしつつ、自分の所有している電気自動車のバッテリー容量を確かめましょう。

外充電する場合の電気代:1回あたり無料~約4,000円

外充電する場合の充電1回あたりの電気代は、無料~約4,000円が目安です。外充電するには、基本的に充電カードが必要です。充電カードの月額料金は会社によって異なります。また、「普通充電」か「急速充電」かによっても料金が異なるため、幅が出てしまいます。

普通充電急速充電
特徴3~6kWの出力 出力3kW(8時間)で25kWh充電可能 長時間駐車向け10~200kWの出力 出力50kW(30分)で20kWh充電可能 短時間駐車向け
目安の料金1分につき無料~3円1分につき5~50円

参考元:EV・PHV用充電設備と補助金

普通充電のメリットは料金が安いことです。しかし、充電までに時間がかかりますので、自宅で充電できない人は、急速充電がメインになると考えておきましょう。

充電1回あたりの電気代は、自宅充電とさほど差はありません。しかし、月額料金が発生するため、総合的に見れば自宅充電の電気代のほうが安くなります。

自宅充電と外充電のメリット・デメリット

自宅充電と外充電のメリット・デメリットを表にまとめましたので、見ていきましょう。

メリットデメリット
自宅充電比較的に電気代(充電代)が安い 充電待ちがない充電まで時間がかかる 設置費用がかかる 集合住宅では設置が難しい
外充電充電時間が短い(急速充電の場合) 設置費用がかからない充電スポットまで行く必要がある 充電待ちが発生する

長期的に考えれば、電気代(充電代)が安くなる自宅充電がおすすめです。充電設備を設置する初期費用がかかりますが、わざわざ充電しに行く必要がありません。

しかし、集合住宅であれば充電設備の設置が難しい場合があります。外充電のメリットは、(急速充電であれば)充電時間が短いことです。また設置費用がかかりません。

近くに無料で充電できるスポットがあれば、電気代を大幅に抑えられますが、無料で充電できるスポットは限られています。

外充電の場合、充電スポットまで行く必要があるため、近くにない場合は手間がかかります。また充電スポットが埋まっている場合は、すぐに充電できません。

これらのメリット・デメリットを踏まえて、住環境や使用状況に合った充電方法を選びましょう。

電気自動車はガソリン代と比較して27,651円安い            

電気自動車は、ガソリン代と比較して27,651円安いです(1万km走行した場合)。次の2つの項目から比較していきましょう。

  • 走行コストでの比較
  • 長距離走行での比較

走行コストでの比較

結論からいえば、走行コストが低いのは電気自動車です。ガソリン車は「燃費」、電気自動車は「電費」を用いて、走行コストを比較していきましょう。

【電気自動車の走行コスト】

一般的な電気自動車(EV)の電費:6km/kWh(1kWhで6km走る)
1km走るのに必要な電気量:0.17kWh
電気代(目安):31円/kWh
1kmあたりの電気代:5.27円

※電気代は「全国家庭電気製品 公正取引協議会」が発生した数値を参照

【ガソリン車の走行コスト】

一般的な燃費:22km/L(1Lで22km走る)
1km走るのに必要なガソリンの量:0.05L
ガソリン代(目安):174.5円/L
1kmあたりのガソリン代:8.73円

※ガソリン代は2024年8月26日に資源エネルギーが発表した数値を参照

両者を比較すると、電気自動車のほうが1kmあたり約3.5円安いコストで走ることが可能です。外充電がメインの場合は、電気自動車の走行コストが上記よりも高くなります。

日本政府は電気自動車の開発に力を入れているため、いずれは上記よりもさらに電費がよくなることが予想されます。

長距離走行での比較

上記の結果を踏まえると、電気自動車のほうが長く走るほど電気代を抑えられます。仮に1万km走り続けたときに、どの程度の料金差があるのかシミュレーションしてみましょう。

電気自動車ガソリン車
燃費(電費)単価31円/kWh174.5円/L
走行距離6km/kWh22km/L
1万km走行した場合のコスト51,667円79,318円

電気自動車とガソリン車を比較するときの注意点              

電気自動車とガソリン車を比較するときの注意点は、以下の2つです。

  • 電気代・ガソリン代が高騰するリスクがある
  • 車種や型番などによっては結果が変わる

それぞれについて見ていきましょう。

電気代・ガソリン代が高騰するリスクがある

電気代・ガソリン代のどちらも高騰するリスクがあります。電気代とガソリン代の推移を見ていきましょう。

【電気代の推移】

電気代の推移

出典:一般社団法人エネルギー情報センター

電気代は2022年12月まで値上がりしていましたが、2023年には落ち着き、ほぼ横ばい状態が続いています。

【ガソリン代の推移】

ガソリン代の推移

※資源エネルギー庁「石油製品価格調査」の結果をもとに著者作成

ガソリン代は2023年6月~9月ごろにかけて一時的に高騰しましたが、その後は落ち着き横ばい状態です。

電気代・ガス代のどちらも、一時的に高騰することがあり、将来的にどのようになるかは分かりません。ただし、石油は有限であるため、いずれ枯渇します。そのため、石油の残量が少なくなればなるほど、石油価格が高騰すると予想できます。

一方電気は、再生可能エネルギーによって発電できるため無限です。そのため、電気がなくなる心配はありません。また、日本政府は再生可能エネルギーの普及に力を入れています。これらの点を踏まえると、ガソリン代に比べて電気代が高騰する可能性は低いといえるでしょう。

電気代(ガソリン代)以外にもコストはかかる

電気自動車とガソリン車を比較するときは、電気代(ガソリン代)以外にもかかるさまざまなコストを考慮に入れる必要があります。例えば、車両本体価格を比較すると、電気自動車のほうが高いケースが多いです。しかし、電気自動車のほうが維持費はかかりません。

電気代が安かったとしても、マンションに住んでいれば充電設備を設置できないことが多いですし、近くに充電スポットがなければ、充電する手間がかかってしまいます。

そのため、電気自動車とガソリン車を比較するときには、電気代だけでなく車種や生活圏、メリット・デメリットを配慮した上で、検討しましょう。

電気自動車の電気代を安くする方法

電気自動車の電気代を安くする方法は、以下の5つです。

  • 電力会社を見直す
  • エコドライブを意識する
  • 太陽光パネルを設置する
  • 料金の安い充電スポットを利用する
  • 自分に合った充電カードを選ぶ

それぞれについて見ていきましょう。

電力会社を見直す

電気自動車を自宅充電する人は、電気料金が安い電力会社に乗り換えることで、電気代をグッと安くすることが可能です。電気自動車を充電する時間帯に、電気料金が安くなるプランがある会社を探しましょう。

例えば、夜から朝にかけて充電する場合は、夜から電気料金が安くなるプランに変えれば電気代が安くなります。

エコドライブを意識する

エコドライブとは、二酸化炭素の排出量を減らし、地球温暖化防止につながる運転を心がけることです。エコドライブを意識すれば、地球だけでなくお財布にも優しくなります。

環境省が推奨する「エコドライブ10のすすめ」の中で、電気代削減につながる5つのポイントを見ていきましょう。

●発進するときは、穏やかにアクセルを踏む(最初の5秒で、時速20km程度が目安)
●無駄な加速・減速を減らす
●無駄なアイドリングはしない
●エアコンを適切に使う
●必要のない荷物は積み込まない

電力会社の見直しや太陽光パネルの設置のように、電気代を大幅には抑えられませんが、継続して取り組むことで、長期的に電気代を節約できます。

太陽光パネルを設置する

自宅充電する人は、太陽光パネルの設置を検討してください。太陽光パネルで発電した電気を使って電気自動車を充電すれば、大幅に電気代を抑えられます。余った電力は電力会社に売ることで、売電収入を得られます。

初期費用はかかってしまいますが、長い期間で見れば電気代を抑えることが可能です。

料金の安い充電スポットを利用する

外充電をメインとする人は、料金の安い充電スポットを探しましょう。無料の充電スポットは全国的に少なく、さらに充電に時間がかかってしまいます。しかし、多少距離があったとしても電気代を安くしたい人は、積極的に利用しましょう。

また無料ではなかったとしても、料金の安い充電スポットを探しておくことが大切です。公共施設やショッピングセンターなどは、比較的料金が安いため近くにある人は利用してください。

自分に合った充電カードを選ぶ

充電カードは会社やプランによって異なるため、自分に合った充電カードを選ぶことで電気代を安くできます。

例えば、頻繁に外充電を利用する人は、多少月額料金が高くても「〇分まで充電無料」といったプランを選ぶとお得になるでしょう。一方、自宅充電で賄えるような場合は、月額料金の安いプランがおすすめです。

メーカーが発行する充電カードに必ず加入する必要はありません。他の会社のプランと比較しながら検討しましょう。

まとめ

電気自動車の電気代は、月4,000~6,000円+外充電費です。外充電費は、「普通充電」や「急速充電」によって異なりますが、およそ1回あたりの電気代は無料~約4,000円です。

電気自動車の電気代を安くしたい場合は、自宅充電をおすすめします。また、太陽光パネルを設置すれば、実質充電代を無料にするだけでなく、余った電力を電力会社に売ることが可能です。

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