個人向けコラム

電気の契約アンペア数の適切な目安は?確認・変更方法について解説

電気の契約アンペア数の適切な目安は?確認・変更方法について解説

電気の契約アンペアによって電気代が異なります。

電気代を節約したい人は、適切なアンペア数を選ぶことです。

契約アンペア数が高すぎると電気代が高くなり、低すぎると停電の原因になります。

そこで本記事では、電気の契約アンペア数の適切な目安について紹介します。

契約アンペア数の確認方法や変更方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

電気の契約アンペア数の適切な目安は? 

冒頭でもお伝えしましたが、電気の契約アンペア数が高すぎると電気代が高くなり、低すぎると停電の原因になります。

そのため、家庭に合った適切なアンペア数を選ぶことが大切です。

適切な契約アンペア数は、以下の3つから判断できます。

  • 【世帯人数別】適切なアンペア数の目安
  • 使用している家電から適切なアンペア数を求める方法
  • ピーク時の消費電力から計算する

それぞれについて見ていきましょう。

【世帯人数別】適切なアンペア数の目安

同居している家族の人数によって、適切なアンペア数が異なります。

目安ではありますが、以下の表を参考にしてください。

家族の人数適切なアンペア数
1人暮らし20~30アンペア
2人暮らし30~40アンペア
3人暮らし40~50アンペア
4人暮らし40~50アンペア
5人暮らし以上50~60アンペア

家族の人数が多くなれば、使う電化製品も増えますので契約アンペア数も高くなります。

一方、1人暮らしや2人暮らしは電気を使う量が少ないので、契約アンペア数も低く設定して問題ありません。

契約アンペア数が低いほうが、電気代も安くなります。

使用している家電から適切なアンペア数を求める方法

家族の人数が少なかったとしても、一度に多くの電化製品を使っている人は、契約アンペア数が高くなります。

そのため、自分が使っている家電から、契約アンペア数が適切か確かめるとよいでしょう。

アンペア数は「消費電力(W)÷ボルト(V)」で求められます。

消費電力は、各電化製品の本体や取扱説明書などに記載されていますので、確認してください。

一般的に、家庭用のボルトは100Vなので、消費電力を100で割ればアンペア数が算出できます。

主な電化製品のアンペア数の目安は、以下のとおりです。

電化製品アンペア数の目安
IHクッキングヒーター(200V)20A~30A
電子レンジ(30Lクラス)15A
アイロン14A
IHジャー炊飯器(5.5合・炊飯時)13A
食器洗い乾燥機(100V卓上タイプ)13A
ヘアドライヤー12A
インバータエアコン冷房5.8A・暖房6.6A
電気カーペット(3畳用)1/2面4A・全面8A
冷蔵庫(450Lクラス)2.5A
ドラム式洗濯乾燥機(洗濯・脱水容量9kg)洗濯時2A・乾燥時13A
掃除機弱2A・強10A
テレビ液晶42型 2.1A プラズマ42型 4.9A

参考元:東京電力エナジーパートナー「主な電気機器のアンペアの目安」

上記の表をもとに、一度に使用しているアンペア数を求めてみましょう。

例えば、冷蔵庫(2.5A)・エアコンの暖房(6.6A)・ヘアドライヤー(12A)・プラズマテレビ(4.9A)の場合は、以下のとおりです。

2.5A+6.6A+12A+4.9A=26A

上記以外にも、家族がIHクッキングヒーターや電子レンジを使っていると、さらにアンペア数が必要になります。

ピーク時の消費電力から計算する

電化製品から適切なアンペア数を算出する場合、ピーク時の消費電力から求めるのが適切です。

電気を多く使う時間帯は、一般的に朝と夕方です。

ピーク時の消費電力を知りたい場合は、現在契約している電力会社のマイページなどから確認できます。

多くの電力会社では、時間帯別に消費電力が表示されます。

ピークの消費電力が分かったら、上記で紹介したようにアンペア数を求めましょう。

電気の契約アンペア数とは?

そもそも電気の契約アンペア数とは何でしょうか。

  • 契約アンペア数とは?
  • 契約アンペア数の大小で何が変わるの?
  • 契約アンペア数と電気料金の関係

それぞれについて見ていきましょう。

契約アンペア数とは?

アンペア(A)とは、一度に流れる電気の量を表したものです。

つまり、電化製品を使うとき必要な電力を表しています。

例えば契約アンペア数が40Aであれば、電子レンジやアイロンなどを使用して同時に使えるのは38Aくらいまでです。

これ以上電気を使用した場合は、40Aを超えますのでブレーカーが落ちてしまいます。

契約アンペア数の大小で何が変わるの?

一般的な家庭であれば契約アンペア数は、20~60Aです。

契約アンペア数の大小によって、一度に使用できる電力量が異なります。

アンペア数が高いほど、一度に使用できる電力量も多いです。ただし、比例して電気代が高くなります。

一方、契約アンペア数が低い場合は、ブレーカーが落ちやすくなってしまいます。たたびたびブレーカーが落ちるようでは、生活の質が低下してしまうでしょう。

したがって、高すぎることも低すぎることもない、適切なアンペア数で契約するのが一番です。

契約アンペア数と電気料金の関係

契約アンペア数によって基本料金が異なります。例えば、東京電力の基本料金は以下のとおりです。

【スタンダードS(アンペア制)】

種別・区分料金単価
基本料金 (1契約あたり)10A311円75銭
15A467円63銭
20A623円50銭
30A935円25銭
40A1,247円00銭
50A1,558円75銭
60A1,870円50銭
電力量料金 (1kWhあたり)最初の120kWhまで29円80銭
121kWhをこえ300kWhまで36円40銭
301kWhをこえる分40円49銭
最低月額料金328円08銭

参考元:東京電力

アンペア数が増えるごとに基本料金も比例して増えていきます。

高いアンペア数で契約すると、ブレーカーが落ちる心配がありません。

しかし、無駄に電気代が高くなってしまうので、注意しましょう。

契約アンペア数の確認方法

適切な契約アンペア数を設定するには、現在の契約アンペア数を確認することが大切です。

契約アンペア数の確認方法は、以下の2つです。

  • アンペアブレーカーの数字や色を見る
  • 電気使用量のお知らせや検針票を見る

それぞれについて見ていきましょう。

アンペアブレーカーの数字や色を見る

1つ目の確認方法は、アンペアブレーカーです。

アンペアブレーカーは、玄関やトイレなどにある分電盤(ブレーカーボックス)に設置されていることが多いです。

分電盤を開けるとブレーカーが並んでいますが、これとは別にアンペアブレーカーというものがあります。

アンペアブレーカーには、契約しているアンペア数が記載されています。

色で表示されている場合がありますが、電力会社ごとに色が異なりますので注意しましょう。

例えば、東京電力の場合、30Aは緑色、40Aは灰色、50Aは茶色となっています。

アンペアブレーカーの数字や色

出典:ご契約アンペアの選び方│ご契約内容の変更│東京電力エナジーパートナー

一方、北海道電力では、30Aは赤色、40Aは灰色、50Aは茶色です。

電力会社によっては、色分けが公表されていない場合もあります。

アンペア変更

出典:アンペア変更 – 北海道電力

電気使用量のお知らせや検針票を見る

2つ目の確認方法は、お知らせや検針票を見ることです。

電力会社から送られてくる「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」にも、契約アンペア数が記載されています。

検針票だけでなく、各電力会社のマイページにアクセスし、契約内容を確認する画面でも、契約アンペア数の確認が可能です。

電気の契約アンペア数を変更する方法     

電気の契約アンペア数を変更するには、電力会社へ連絡します。

電話でもWebでも構いません。アンペア数を変更する際は、アンペア数に合ったブレーカーの設置が必要です。

ブレーカーの設置工事は基本的に立ち会いが必要です。

工事費は無料で、およそ20分~1時間ほどで工事が終わります。

工事内容によっては配線工事が必要になる場合があります。この場合は、別途費用がかかりますので、事前に電力会社へ確認しておくとよいでしょう。

なお、設置されているものがアナログメーターではなく、スマートメーターの場合は工事が不要です。

遠隔操作で設定を変更できるケースがほとんどですので、物理的な工事は必要ありません。

契約アンペア数を変更するときの注意点

契約アンペア数を変更するときは、いくつかの注意点があります。

  • 契約アンペア数の変更は年に1回のみ
  • アンペア制ではなく最低料金制で契約している
  • 集合住宅では契約アンペア数を変更できない場合がある

それぞれについて見ていきましょう。

契約アンペア数の変更は年に1回のみ

契約アンペア数を変更できるのは、年に1回のみです。季節に合わせて契約アンペア数を変更することはできませんので、注意しましょう。

したがって、契約アンペア数を変更するときは、年間単位で考える必要があります。

例えば、春は過ごしやすい季節ですので、冷暖房を使う機会は多くありません。

しかし、冬は寒さが厳しく暖房器具を多く使います。

年間を通して冬が一番電気代の高くなる時期で、多くの電気を使用します。

このように、春と冬では電気使用量が異なるため、春のみで契約アンペア数を決めてはいけません。

春に28Aほどしか使っていなかったとしても、冬には40A以上使う場合があります。

契約アンペア数の変更は1年に1回ですので、1つの季節のみで判断しないように気を付けましょう。

アンペア制ではなく最低料金制で契約している

契約アンペア数を変更できるのは、アンペア制で契約している人のみです。

分電盤に契約アンペア数が記載されていない、電力会社のホームページを確認してもどこにも載っていない、といった人は、最低料金制で契約している可能性が高いでしょう。

例えば関西電力や中国電力、四国電力などのエリアでは、最低料金制が採用されています。

集合住宅では契約アンペア数を変更できない場合がある

マンション・アパート・賃貸物件などの集合住宅では、契約アンペア数を変更できない可能性があります。

または、変更できたとしても管理会社や大家さんの承諾が必要なケースがあります。

特に築年数の古い物件では、電気使用量の最大値が決まっていることも少なくありません。

変更するには大がかりな工事が必要になり、承諾してもらえない場合があります。

集合住宅で暮らしている人は、念のため管理会社などに問い合わせてから、電力会社に依頼しましょう。

電気の契約アンペア数を変更せずに電気代を節約するポイント

電気の契約アンペア数を下げることで、電気代を節約できます。

ただし、契約アンペア数を下げられない方も少なくないはずです。

ここからは、契約アンペア数を変更せずに電気代を節約するポイントを見ていきましょう。

  • 全国の電気代の平均と家庭の電気代を比較する
  • 電力会社を見直す
  • 省エネ性能の高い家電に買い替える
  • 消費電力の大きい家電を知る
  • エアコンの節約方法
  • 冷蔵庫の節約方法
  • 照明の節約方法

全国の電気代の平均と家庭の電気代を比較する

まずは、家庭の電気代が高いのか低いのか、全国の平均と比較することが重要です。

全国平均よりも高い人は、電気代節約の伸びしろが多くあります。

2023年の電気代の平均を地域別でまとめました。

エリア電気代
全国平均12,265円
北海道地方13,059円
東北地方15,020円
関東地方11,876円
北陸地方15,992円
東海地方12,316円
近畿地方11,088円
中国地方14,331円
四国地方13,359円
九州地方10,605円
沖縄地方10,962円

参考元:家計調査

寒さの厳しいエリアほど、電気代が高くなるのが特徴です。

それでは、具体的な節約方法を見ていきましょう。

電力会社を見直す

もっとも効果的な電気代の節約方法は、電力会社や料金プランを見直すことです。

現在よりも料金の安い電力会社に乗り換えることで、年間数万円の電気代を節約できる可能性があります。

複数の電力会社で料金シミュレーションをして、安くなる電力会社を見つけましょう。

料金シミュレーションするときは、条件をそろえて比較してください。

料金プランによっても電気代が異なりますので、家庭に合った料金プランを選びましょう。

省エネ性能の高い家電に買い替える

今使っている家電が古い場合は、省エネ機能の高い家電に買い替えることで節約効果があります。

例えば、以下のような省エネ効果が期待できます。

  • 冷蔵庫を2013年から2023年の製品に変えると約28~35%の省エネ
  • エアコンを2013年から2023年の製品に変えると約15%の省エネ
  • 温水洗浄便座を2013年から2023年の製品に変えると約8%の省エネ
  • 白熱電球からLEDライトに変えると約86%の省エネ

参考元:機器の買換で省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト

消費電力の大きい家電を知る

効率よく電気代を効率よく電気代を節約するには、消費電力の大きい家電を知ることです。

消費電力の大きい家電

出典:省エネルギー政策について|省エネルギー・新エネルギー|資源エネルギー庁

年間を通して消費電力の大きい家電は「エアコン」「冷蔵庫」「照明」の3つです。

特に、エアコンは全体の3割を占めますので、節約すると効果が期待できます。

それぞれの詳しい節約方法を見ていきましょう。

エアコンの節約方法

エアコンの節約方法は、以下のとおりです。

  • こまめに電源を切らない
  • フィルターを適度に掃除する
  • 自動運転にする
  • 夏は27~28℃、冬は22~23℃に温度を設定する
  • 猛暑日以外は除湿運転にする

エアコンは稼働時から設定温度にするまでに、多くのエネルギーを消費します。

そのため、頻繁につけたり消したりするとより電気代がかかりますので、注意しましょう。

自動運転にすると、風力や風向きを自動で調整するため、無駄なエネルギーを消費しません。

冷蔵庫の節約方法

冷蔵庫の節約方法は、以下のとおりです。

  • 開けっ放しにしない
  • 食品を詰め込みすぎない
  • 温かい物は冷まして入れる
  • 設定温度を「弱」や「中」にする

冷蔵庫を開ける時間を短縮することが大切です。

定位置管理していると、欲しいものがどこにあるか分かりやすくなります。

また、詰め込みすぎると冷気の流れが悪くなるので、無駄なエネルギーを消費します。

照明の節約方法

照明の節約方法は、以下のとおりです。

  • LEDライトに変える
  • 昼間の明るい時間帯は電気を消す
  • こまめに電気を消すように心がける
  • 適切な明るさに調整する

照明の節約はLEDライトに変えることがおすすめです。

蛍光灯からLEDに変えると、どのくらい節約になるかは、こちら「LEDと蛍光灯で電気代が安いのは?それぞれの特徴の違いを紹介 | 電気や環境問題のことならシナネンあかりの森メディア」を参考にしてください。

また節約効果としては低いですが、こまめに電気を消すようにしましょう。

まとめ

電気の契約アンペア数の目安は、世帯人数や使用している電化製品の量などで判断できます。

今まで高すぎるアンペア数で契約していた人は、アンペア数を下げることで電気代の節約になります。

電気代を節約する効果的な方法は、電力会社や料金プランを見直すことです。

現在契約している会社よりも、料金プランの安い会社に乗り換えるだけで、グッと節約できます。

シナネンあかりの森でんきでは、市場連動型プランを採用しています。

電気量料金の安い時間帯に電気を使うことで、無理なく電気代を抑えられるのがポイントです。

電力会社を見直す際は、ぜひご検討ください。