地球温暖化の現在の問題点とこのままだと2100年の日本はどうなるの?
近年、地球温暖化の影響により「海面上昇」「台風の大型化」「生態系の減衰」など、さまざまな問題点が懸念されています。
これらの問題点は、私たち人類の問題であり見過ごすことはできません。
このままだと2100年の日本は、私たちの手には負えない深刻な状態になってしまいます。
そこで、一人ひとりが地球温暖化の現在の問題点を知り、私たちにできることを行いましょう。
地球温暖化による現在の日本の状況
日本は世界で11番目に人口が多い国(2022年時点)ですが、二酸化炭素の排出量は世界で5番目に多いです。
引用元:2021年度(令和3年度)の温室効果ガス排出・吸収量(確報値)について | 報道発表資料 | 環境省
日本は地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出削減に取り組んでいます。
1990年から増えてきた温室効果ガスも2013年をピークに減少し、2021年には少し増加したものの2022年には10.6億tCO₂まで減少しているのが現状です。
しかし、依然として温室効果ガスの排出量は他国と比較しても多いため削減に向けて取り組みを強化しなければいけません。
地球温暖化の現在の問題点
地球温暖化の現在の問題点としては「異常気象」「食糧問題」「人の健康への問題」「水位上昇」の4つがあります。それぞれの問題点を見ていきましょう。
異常気象
地球温暖化による異常気象で懸念されていることは「砂漠化」と「台風・ハリケーンの巨大化」です。
サハラ砂漠やアラビア砂漠のように、もともと降水量が少なく植物が育ちにくい環境の砂漠ではなく、森林や農耕地が「砂漠化」する現象が増加しています。
2015年のUNCCD(国連砂漠化対処条約事務局)によれば、毎年264万ヘクタールの土地(およそ岩手県と秋田県を合わせた面積)が砂漠化していると報告されています。
砂漠化の原因となっているのが気候的要因と、人為的要因です。
たとえば中国では、ヒツジやヤギの飼いすぎで草木が食べつくされてしまったり、木を切って畑を作りすぎ浸食が進んでしまったりして、砂漠化が悪化しています。
砂漠化だけでなく台風やハリケーンの巨大化も深刻な問題の1つです。地球温暖化が加速すると、気温や海水温が上昇することで台風やハリケーンが巨大化したり発生数が増えたりするといわれています。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)が行ったシミュレーションでは、「21世紀の末には現在に比べ強い台風が6.6%増加する」「台風の降水量が11.8%増加」するという結果が出ています。
しかし、あくまでシミュレーションであるため必ずしも正しいとは限りません。ただし可能性がある話であるため、常に防災意識をもっておくことが大切です。
食糧問題
地球の気温が上昇すると食料の需要に対して供給が追い付かなくなり食料不足が起きると予想されています。
また、共同通信の調査によると、日本の農作物の70品目以上に地球温暖化の影響が出ていると報告されています。
とくに影響が大きいのがお米で、その他にも野菜や果物なども影響が大きいです。
具体的には以下のような事例があります。
・お米 気温の高い一部の地域で収穫量が減る、害虫が増えるなどの被害 ・梨 暖冬により花芽が枯れ発芽不良を起こしてしまう被害 ・じゃがいも 気温上昇により降雨量の増加や日照時間の減少が起き、じゃがいもの栽培環境が悪化 ・みかん 秋の高温による「浮き皮」、初夏の高温による外皮の日焼け、実の落下などの被害 |
人の健康への影響
地球温暖化により平均気温が高くなると、これまで熱帯地域にのみ生息していた、マラリア・デング熱・ジカ熱などを運ぶ虫(蚊)が世界中を飛び回ることになります。
もちろん病気になるリスクも高くなるため危険です。
また気温の上昇により熱中症になる危険性も高くなります。厚生労働省が発表している令和4年「熱中症による死亡数 人口動態統計(確定数)」をもとにグラフを作成したので見ていきましょう。
著作作成
このグラフを見てわかると思いますが、猛暑日の日数(オレンジ色)が多い年は熱中症の死亡者数も多いです。
また猛暑日の日数は、1910~2022年で100年あたり2.1日の増加しており、熱中症の死亡者数も1995年と2022年を比較すると約5倍近く増加しています。
水位上昇
IPCCの第6次評価報告書によると、2006年~2018年の12年間で海面の水位が3.7mm/年上昇したと報告されています。
また地球温暖化によって北極や南極の氷が溶けるスピードが速くなるとさらに海面の水位が上昇し危険です。
同じくIPCCの第6次評価報告書によると、北極や南極は熱帯よりも温暖化するため水位上昇による被害が懸念されています。
引用元:地球温暖化の原因としくみ | 地球温暖化と対策 | 省エネ家電 de スマートライフ -温暖化の影響と防止- (一般財団法人 家電製品協会)
このままだと2100年の日本はどうなるの?
現在も地球温暖化を防止するための取り組みが行われていますが、このままだと2100年の日本はどうなるのか見ていきましょう。
真夏日の増加
IPCCの報告をもとに環境省と気象庁が科学的予測をした結果、現在に比べて今世紀末の真夏日が全国で平均52.8日増加するとされています。
大阪だと1年の4割近くある約141日が真夏日です。これほどまでに真夏日が増えれば、健康や農作物の被害も現在より多くなるでしょう。
引用元:地球温暖化の原因としくみ | 地球温暖化と対策 | 省エネ家電 de スマートライフ -温暖化の影響と防止- (一般財団法人 家電製品協会)
平均海面水位の上昇
IPCC第6次評価報告書によると、2100年までの世界平均海面水位は、1995年~2014年に比べて63cm~1.01m上昇する可能性が高いと報告されています。
引用元:地球温暖化の原因としくみ | 地球温暖化と対策 | 省エネ家電 de スマートライフ -温暖化の影響と防止- (一般財団法人 家電製品協会)
また環境省の調査によると2020年の日本沿岸の平均海面水位は、平年よりも8.7cm高くなり過去最高を記録しています。
もし2100年に海面水位が1m上昇すると、人口が集中している低地の大都市が浸水する危険性が高いです。
私たちができる地球温暖化への対策
地球温暖化への対策は、私たち一人ひとりの行動が大切です。企業・個人ができる地球温暖化への対策を見ていきましょう。
企業ができる地球温暖化への対策
温室効果ガスの排出量の多くは、企業活動によるものです。そのため、各企業が積極的に地球温暖化への対策を行うことが大切です。
企業ができる地球温暖化への対策としては「太陽光パネルの設置」「照明のLED化」「使用電力の再エネ化」などがあります。
たとえばイオンモール株式会社は、2025年までに約160箇所のモールで使用する電力を再エネ化に転換するという目標を掲げています。
また佐川急便株式会社の対策としては、CO₂削減への取り組みとして車両を使用しない集配方法を導入したことです。これにより台車や自転車などで集配することでCO₂排出量ゼロを実現しました。
このように様々な企業ですでに地球温暖化への対策が行われています。
個人ができる地球温暖化への対策
個人ができる地球温暖化への対策は多くあるため、以下を参考にしてください。
・環境にやさしい電気を使用している事業者に変える ・家電を節電する ・自動車での移動を控え、徒歩、自転車、電車などを利用する ・4R( リデュース、リユース、リペア、リサイクル)を意識する ・家庭のエネルギーを再生可能エネルギーに変える ・環境に配慮した商品を選ぶ ・環境に貢献している企業を支援するなど |
個人で行うことは小さいかもしれませんが、一人ひとりの行動で大きく変わるため上記のような取り組みを行いましょう。
まとめ
地球温暖化への対策は個人だけでなく、企業、国が積極的に行うことが大切です。
まだ取り組みを行っていない場合は、まずは電力の見直しから考えてはいかがでしょうか。
「シナネンあかりの森プロジェクト」では、環境にやさしい自然エネルギー100%を利用しながら二酸化炭素の排出量を削減する取り組みを行っています。
地球温暖化への対策だけでなく、森林・海洋・生態系の保全への取り組みも積極的に行っているため、ぜひ検討してみてください。