3Rの意味とは?私たちにできる取り組みを分かりやすく紹介
3R(スリーアール)は、地球温暖化やSDGsに関わる取り組みです。3Rという言葉を知っている人は多いですが、3Rを実践している人はあまり多くないかもしれません。しかし、私たちの地球を守る上で、3Rの取り組みは重要です。
本記事では、3Rの意味や私たちができる取り組みについて分かりやすく紹介します。3Rについての知識を増やし、日常生活に取り入れていきましょう。
3Rの意味とは
3Rは、Reduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)の総称です。3Rの目的は、資源の枯渇を防ぎ地球環境を守ることです。近年では3Rに加え、Renewable(リニューアブル)も注目されています。
以下の4つの項目について見ていきましょう。
- 「Reduce」ごみの量を少なくする
- 「Reuse」使えるものを繰り返し使う
- 「Recycle」資源として有効利用する
- 【番外編】Renewable(リニューアブル)
「Reduce」ごみの量を少なくする
Reduce(リデュース)は、ごみを減らす取り組みであり、3Rの中で最も重要な役割を担います。そもそもごみの量が減れば、リユースやリサイクルする必要がなくなるためです。
消費者においては、すぐに製品を捨てるのではなく、一つの製品を長く使うことを意識しましょう。
「Reuse」使えるものを繰り返し使う
Reuse(リユース)は、「再利用」という意味で、使えるものを形を変えずに再利用する取り組みです。なじみ深い方も多いであろう古本屋・古着屋は、リユースを実践しています。自分が使わなくなったものでも、他の人なら使える場合があるため、すぐに捨てないことが重要です。
例えば、サイズの合わなくなった服も他の人であれば使えるので、古着屋に持っていくことがリユースになります。ごみを捨てる前に「誰か使う人はいないかな?」と考えるように心掛けましょう。
「Recycle」資源として有効利用する
Recycle(リサイクル)は、「再生利用」という意味で、使わなくなったものを利用可能なものに変える取り組みです。リデュース、リユースと進んでいき、最終段階の取り組みがリサイクルです。
牛乳パックや古紙、ペットボトルなどのリサイクルは、実践している方も多いのではないでしょうか。繰り返しになりますが、そもそものごみの量を減らせばリサイクルする必要もありません。リデュース>リユース>リサイクルの順番で意識するようにしましょう。
【番外編】Renewable(リニューアブル)
近年では3Rに加えて、Renewable(リニューアブル)も注目されています。Renewable(リニューアブル)とは、「再生可能な資源」を使う取り組みです。例えば、レジ袋をバイオマスプラスチック製にしたり、エネルギーを再生可能エネルギーに切り替えたりすることがリニューアブルに当てはまります。
考え方としては、環境負荷の高い原料(化石燃料など)から循環型の原料へ変えていくことです。日本でもすでに政府が取り組みを実施しており、2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入することを目標として掲げています。
Reduce(リデュース)の事例と私たちができる取り組み
3Rは一人ひとりが意識的に取り組むことが重要です。
- Reduce(リデュース)の事例
- 私たちにできる取り組み
まずはリデュースの事例と、私たちにできる取り組みを見ていきましょう。
Reduce(リデュース)の事例
各自治体や企業、個人など、さまざまなところがリデュースに取り組んでいますが、今回は各企業の取り組みについていくつか紹介します。
企業名 | 取り組み |
アクアクララ | 2022年12月に神奈川県で開催された「第17回湘南国際マラソン」に協賛企業として参加し、約200カ所の給水ポイントにウォーターボトルを設置 |
近鉄百貨店 | 毎月5日を「スマートラッピングの日」と定め、店内放送で「適正包装」を呼びかける |
スズキ | 材料リデュースを目指した設計(部品やパーツの使用量削減や軽量化) |
私たちにできる取り組み
ごみの量を減らしたり、製品を長く使ったりすることがリデュースです。私たちにできる取り組みは、以下のようなものです。
・無駄なものを購入しない ・使い捨てではなく長く使えるものを選ぶ ・マイバックやマイボトルなど持参する ・普段使わないものはレンタルサービスを利用する ・食品を買い過ぎて腐らせない ・一つの製品を長く使う ・消耗品はこまめにメンテナンスする |
私たちにとって大切なことは「意識」です。私たち個人にできることは小さなことしかありませんが、やるかやらないかで大きく変わります。リデュースは、3Rの中でも最初に意識すべきことです。「3R」「環境」「地球温暖化」といったことを意識して、行動に移せるかが重要です。
Reuse(リユース)の事例と私たちができる取り組み
次は、リユースの事例と私たちができる取り組みについて見ていきましょう。
Reuse(リユース)の事例
リデュースと同様に、企業の取り組みについて紹介します。
企業名 | 取り組み |
スターバックスコーヒー | 一部のドリンクを使い捨てプラスチックである「樹脂製グラス」に入れて提供 |
ダスキン | 「モップ・マット」を97%以上再商品化 |
江崎グリコ | 学校給食で提供する牛乳のストローを廃止し、ストローがなくても飲みやすい紙パックに改良 |
私たちにできる取り組み
自分が使わないものでも、誰かに使ってもらい、ごみにしないことがリユースです。私たちにできる取り組みは以下のようなものです。
・使わなくなったものは、フリマサイトやフリーマーケットで売る ・リターナブル容器を利用する ・リメイクする ・豆苗やネギの根っこは、水につけて再生させる ・使用済みのバスタオルや靴下などを雑巾として使う ・新品にこだわらず中古品も検討する ・野菜やお米を洗った水を家庭菜園や庭に使う |
リユースで大切なのは「もったいない精神」です。もったいない精神があれば、すぐに捨てずに何かに使おうと考えるようになります。ごみ箱に捨てる前に、「何かに使えないかな?」「誰かに使ってもらえるかな?」と考えるようにしましょう。
Recycle(リサイクル)の事例と私たちができる取り組み
最後に、リサイクルの事例と私たちができる取り組みについて見ていきましょう。
Recycle(リサイクル)の事例
アパレル業界など、リサイクルに取り組む企業は多くあります。ここでは、リサイクルに取り組む企業の事例を紹介します。
企業名 | 取り組み |
ユニクロ | 「ユニクロ・ジーユー・プラステ」で商品を回収し、世界中のNGO・NPOと共に被災地や難民キャンプに寄付 |
H&M | 布地であれば何でも回収。リメイクし再利用したり、断熱材の製造などに使用 |
無印良品 | 2030年までにリサイクルを前提とした製品設計100%を目標としている。店舗に回収ボックスも設置 |
マクドナルド | おもちゃを回収し、店内で使うトレーなどに変える |
私たちにできる取り組み
使わなくなったものを別のものに変え、再利用するのがリサイクルです。私たちにできる取り組みを見ていきましょう。
・ごみを分別する ・リサイクル可能な製品を使う ・リサイクルできないごみを出さない ・リサイクルできる製品はリサイクルして処分する |
手間がかかるからといって古紙や牛乳パック、古着などを捨てずに、リサイクル回収している場所に持って行けるところがないか探してみることも大切です。
3Rが注目されている背景
3Rは環境問題の解決のために注目されており、具体的には以下の4つの背景があります。
- 自然資源を枯渇させないため
- 地球温暖化防止のため
- 最終処分場の残余年数が少ないため
- SDGsの目標達成のため
自然資源を枯渇させないため
プラスチックの原料でもある石油は、残り50年ほどしか採掘できないといわれています。化石燃料に依存している私たちにとっては大きな問題です。少しでも自然資源を枯渇させないためにも3Rが重要です。
地球温暖化防止のため
ごみを燃やすときに二酸化炭素が排出されます。二酸化炭素は、地球温暖化を促進させる原因の一つであるため、二酸化炭素の排出量を抑えることが重要です。3Rによってごみの排出量を抑えられれば、地球温暖化防止にもつながります。
最終処分場の残余年数が少ないため
環境省によれば、2040年ごろには日本の最終処理場が満杯になるといわれています。もちろん満杯になるからといって、増設するには、費用も場所も必要となるため、最終処理場をどんどん増やしていくわけにもいきません。
国外にごみを輸出する方法もありますが、近年ではごみの輸入を規制する国が増えているため、期待できないでしょう。つまり、私たちが3Rに取り組みごみを減らすしかないのです。
SDGsの目標達成のため
3Rは、SDGsが掲げる17の目標のうち以下の3つに関係しています。
12:つくる責任つかう責任
13:気候変動に具体的な対策を
14:海の豊さを守ろう
世界中がSDGs達成に向けて取り組んでいる中、私たちも達成に向けて行動していかなければなりません。SDGsは政府や企業が取り組むものだと思っている人もいますが、私たち個人でも目標達成に向けて取り組むことが大切です。
3Rに取り組むときの課題
3Rに取り組む中で以下の2つの課題があります。
- コストがかかる
- 3Rに対する意識
コストがかかる
製品を長く使ったり、中古品を利用したりすることにコストはかかりません。しかし、3Rへの取り組みにさらに注力しようとすると、コストがかかる場合があります。例えば、自社で環境に配慮した製品を開発したり、自宅にコンポストを設置したりするときは、コストがかかります。
費用をかけることが難しい場合は、補助金や助成金を活用したり、無料でできる範囲内で取り組んだりしましょう。
3Rに対する意識
製造事業者の取り組みを見てみると、大企業の半数は「3Rの推進」に取り組んでいます。しかし、中小企業は27%しか3Rに取り組んでいません。まだまだ3Rに対する意識は少ないといえるでしょう。
まとめ
3Rは、Reduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)の総称です。環境問題の解決へ貢献するためには、私たち一人ひとりが3Rに取り組むことが重要です。無駄な商品を買わない、不要なものでもリメイクするなど、私たちにできることはたくさんあります。
3Rの推進と同時に地球温暖化対策も並行して進めることが大切です。日常的に使っている電気も自然エネルギーを使った電気に変えれば、環境問題の解決へ貢献できます。
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