待機電力の電気代はいくら?節電方法と待機電力の多い家電を紹介
待機電力は、消費電力に比べると小さなものに見えますが積み重なることで、電気代が高くなるため無視できない存在です。
しかし待機電力といわれても「どれくらいかかるのか」「どんな家電で待機電力が多いのか」なんとなく感覚でしかわからない人は多いと思います。
そこで本記事では、待機電力が年間いくらくらいかかるのか、また節電方法なども紹介しています。電気代を抑えるためには欠かせないキーワードになるため、しっかりと知識を身につけて節電しましょう。
待機電力の基礎知識
まずは待機電力がどういうものか見ていきましょう。
待機電力とは
待機電力(待機時消費電力)とは、家電を使用していないときでも微少に発生する電力のことです。
たとえば「リモコンでエアコンの電源を切ったとしてもコンセントがつながっているだけで消費してしまう電力」のことをいいます。
家電を稼働させていなかったとしても、コンセントがささっているだけで微少な電力が消費されています。
待機電力は何のための機能?
この待機電力は、その製品を利用する人が便利で快適な生活を送るために備え付けられて機能です。
タイマー機能やリモコン機能、表示機能などを維持するために電力を消費しています。
たとえば、テレビに待機電力の機能がついていない場合、リモコンでテレビの電源をオンにすることができないため、テレビ本体の電源ボタンを押すことになります。
待機電力の具体例
日常生活において待機電力とはどのようなものを指すのか、具体例をいくつか見ていきましょう。
●テレビやエアコンなどのリモコンを使用するとき ●スイッチを切った電子レンジや炊飯器などの時計やタイマー機能 ●充電器や家電機器のコンセントが差しっぱなしのとき ●電話機やファクシミリの受信をするとき |
普段何気なく使っている家電でも、待機電力が発生していることが多いので、具体例を見て知っておくことで節電しやすくなります。
待機電力の電気代はいくら?
資源エネルギー庁の調査結果によると、1世帯あたりの年間消費電力は4,432kWhで、そのうちの228kWh(5.1%)が待機電力といわれています。
これをもとに待機電力を計算すると、1年間の電気代は7,068円(1ヶ月だと589円)です。(電力量単価=31円/kWhを目安単価として計算)
引用元:平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業 (待機時消費電力調査)報告書概要
1kWhあたりの電気料金は「公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会」が令和4年7月22日に改定したものを参考にしています。
もちろん参考目安であるため、契約している電力会社によって異なります。
使用していない電力だけで毎月589円も待機電力が発生していると考えれば、意外と待機電力も大きな金額ではないでしょうか。
待機電力の多い家電とは
待機電力は家電によって消費する電力が異なります。当然、消費量の多い家電を節電することで、電気代を節約することが可能です。
それでは、待機電力が多い家電は何か見ていきましょう。()内は家庭の全待機電力量を100%とした場合の全体に占める比率です。
1位 ガス温水器(19%)
「燃料がガスなのに待機電力が多いの?」と疑問を持つ人が多いと思いますが、湯量や湯温のセンサーや設定温度を表示させるパネルなどさまざまな箇所で電気を使用しています。
お風呂場とキッチンなどに2箇所パネルのある家庭では、それぞれ待機電力が発生します。
また一般的な家庭と違い、コンセントが埋め込み式であるため使わないときに抜くことができません。
2位 テレビ(10%)
テレビはリモコン操作をしたり、録画機能を使用したりするときに待機電力が発生します。
また番組表の更新などでも待機電力が発生し、テレビの利用度も高いため待機電力を多く消費する家電です。
3位 冷暖房兼用エアコン(8%)
エアコンもテレビと同様でリモコンを操作するため待機電力が発生します。
またエアコンは待機電力によって冷媒をヒーターで温める作業をおこなっています。
ただし、冷媒を温めることで室外機のトラブルを防いでいるので、オフシーズンであってもコンセントを抜かないほうがベターです。
残りの4位以降は以下のようになっています。
3位 電話機(8%) 5位 BD・HDD・DVDレコーダー(6%) 6位 温水洗浄便座(5%) 7位 パソコン(4%) 8位 パソコンネットワーク機器(3%) 8位 電子レンジ・オーブンレンジ(3%) 10位 インターホンセット(2%) |
待機電力を節電する3つの方法
待機電力も意識して節電することで電気代を抑えることができます。
待機電力を節電する3つの方法を紹介しますので、参考にしてください。
コンセントをこまめに抜く
コンセントを抜いておけば電気が流れないので、待機電力が発生することはありません。
そのため、使っていない家電は電源を切るだけでなく、コンセントから抜いておきましょう。
ただし、家電によってはコンセントこまめに抜かない方がいいものもあります。
たとえば、先ほど紹介したエアコンです。前述のとおり、エアコンは待機電力で冷媒を温めているのでコンセントを抜くと冷めてしまいます。
冷めた状態でエアコンを使用すると室外機の故障につながりやすいため、避けましょう。
また録画機能付きテレビも場合によってはおすすめできません。待機電力を使用して録画・番組表の更新を行なっているので、コンセントを抜くと録画されません。
その他にも洗濯機や電気ケトル、ドライヤー、アイロンなどはコンセントを差しっぱなしでも待機電力がほぼゼロであるため、こまめに抜いても節電になりません。
どんな家電でもコンセントをこまめに抜けばいいわけでないので、覚えておきましょう。
コンセントを節電タップに変える
引用元:Amazon
上記のような画像のコンセントを見たことがある人も多いと思います。
いわゆる「節電タップ」というコンセントで、電源スイッチつきのタップを使用するとコンセントを抜き差しする必要がありません。
差した状態であってもタップの電源ボタンをオフにするだけで、待機電力は発生しません。
ボタン一つで電源が切れるため、使用中の家電を誤って消してしまうと故障の原因にもなるので気を付けてください。
省エネ機能付きの家電に買い替える
古い年代の家電を使用している人は、とくに最新の省エネ家電に買い替えることをおすすめします。
たとえば、10年前の冷蔵庫から現在の冷蔵庫に買い替えると約47%も電気代を節約することが可能です。
もちろん買い替える際にはコストが発生しますが、長期間で見たときにお得になるので早めに買い替えておきましょう。
環境省の比較サイトでは、家電を買い替えた場合、どれくらい電気代が節約できるのか簡単にシミュレーションすることができるので、ぜひ活用してみましょう。
まとめ
待機電力だけで年間7,068円もの電気代が発生するので、こまめにコンセントを抜いたり、節電タップを使用したりして節電を意識すると節約につながります。
節電を意識しすぎて家電機器の故障や生活に悪影響がでないように、できる範囲内で行うことが大切です。
こまめな節電はもちろん大切ですが、電気代を効率よく抑えるなら電気会社(契約プラン)を見直すことをおすすめします。
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